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2009.03.08 05:05

図書館戦争の二次作品
堂上×郁風味です。
最初のあたりの内容を含みます。

捏造物で、本編の流れと少々違っています。
それでも構わなければ、どうぞ。
お目汚しになりますが、楽しんで頂けますよう…。



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正化26年10月4日。
茨城県のある本屋で突然メディア良化隊の検閲があった。
その場に居合わせた関東図書隊三等図書正による見計らい図書権限が発動。
メディア良化隊を撃退した。

本屋では衝撃的な一日だった。
突然現れたメディア良化隊。
テレビの中の話だと思っていた検閲を受け、本を搾取していく姿に為す術は何も無く。
ただ、呆然と成り行きを見守っているしかなかった。
その時、女子高生がメディア良化隊に楯突いた。
警棒を持ち、もしかしたら銃さえも装備しているかもしれない屈強な良化隊になんと云う事をと恐ろしかった。
警察を呼べと叫ぶが、その前にリンチに会う。
彼女を宥めなければと声を出そうとするが、何も発せ無かった。
良化隊が彼女に暴力を振るおうとしている。
誰か、助けてくれ。
それだけしか祈れなかった。
が、神がいる!
そう思えた。
本屋内に図書隊の方が居た。
声を高らかに見計らい図書権限を発令してくれたのだ。
正直、心が震えた。
助かった、と。
いろんな意味で助かったと。
私はこの日を忘れない、そう思った。
そしてその次の日も。

昨日行われた見計らい図書権限に、ダンボールへ本を詰め込んでいた。
朝一番にファックスで指示があり、私は高鳴る胸を抑えつつ作業を行っていたのだ。
撚れた本や、破れた本をできるだけ綺麗になるよう補修し、本を詰めた。
燃やされなくて良かったと嬉しくなりながら。
少しして、訪問者が来た。
図書隊のマークを掲げていたので、快く店内に案内する。
「昨日はありがとうございました」
深く頭を下げて礼をすると、頭を上げてくださいと止められた。
人数は三人。
昨日の図書隊員の方もいる。
「すみません、まだ本を纏めていません」
「いいえ、私たちは確認で参りました」
「確認ですか?」
「はい」
厳しそうな表情を湛え、ボイスレコーダーを出した人は録音の許可を求めてきた。
「昨日の出来事を正直に、嘘偽り無くおっしゃってください」
「何かあったんですか?」
「少々」
機械的な人は、そのままノートを取り出し、メモの準備も始めた。
「見計らい権限はこちらとしても始めての行使なので、状況や証言を残しておかなくてはならないのです」
一見温和そうな図書隊員が笑顔で話し始めた。
「メディア良化隊からの問い合わせや他の機関との話に違いがあっては問題ですから…ご協力お願いします」
「それは構いません」
なるほど、そんな事かと承諾したのだが、様子がおかしかった。
昨日朗々と宣言した図書隊の方は、何も言わずだんまりしている。
頬に殴られた痕も見受けられた。
ははぁ、これは何かあったな。
でもそれをこの場で口に出すほど若くなかった。
うちのような本屋に貴重な本など皆無。
敢えて権限を行使したのは彼女のためであろう。
本を守ろうとした彼女を守りたかった気持ちが、痛くわかった。
それが不祥事になろうとは。
…国民の税金が関わる事だから、仕方が無いとも言える。
良化隊はただの搾取だが、図書隊は買い受けるのだ。
広くも無いが、狭くも無い店内を見回し、少なくは無い金が動く事に胸を痛めた。
奇麗事では済まされない世の中に。
正義とは、なんとも悲しい事か。
せめてと私は出来得る限り、彼を擁護するよう話をした。
良化隊が客に手を上げ、本を暴力で奪い取ろうとした事。
客は怪我をしたけれど、本を守ってくれたと喜んだ事。
監視カメラに保存されたデータも提出した。
これで図書隊のお偉いさんが理解してほしいと。
話が終わると、厳しい顔をした図書隊員が背後を向く。
「この証言に嘘偽りは無いな、堂上三正」
「はいっ」
背筋を伸ばし、きびきびと質問に答える。
図書隊員はボイスレコーダーの電源を切ると、振り返った。
「では、…ご協力感謝いたします」
「ありがとうございました、本に関してはファックスの指示通りです。何か不明な点がありましたら、ご連絡ください」
二人の図書隊員は礼をすると、店外へ向かった。
残った昨日の…堂上さんは、私をまっすぐ見て、頭を深く下げると二人を追いかけた。
ほんの30分程の出来事だったが、何時間にも感じた。
助けてもらって嬉しかったけれど、堂上さんにとってはあまり良くない状況なのかもしれない。
夕刻には本も纏め終わり、後は図書隊が来るのを待つだけとなった。
一息つこうとお店を出たら、今度は女子高生が来た。
「おじさん!」
学校を終えて、急いで来たんだろう。
息が荒く、足は大丈夫か気になった。
「昨日の、図書隊の人!」
午前中の事を思い出し、どきりとした。
「名前を教えてほしいの!私、顔も忘れそうだし名前も知らないし…」
私は葛藤した。
名前は覚えている。
書類にも宣言者として名字名前所属と掲載されていた。
だが、頬に殴られた痕のある彼が目に浮かぶ。
このまま教えたら、きっとこの子は会いに行く。
今すぐに。
「名前かい?」
悩んだ。
答えるのは簡単。
「そう、名前!」
目を輝かせて、頬を高潮させた彼女を見て、私は…。
…それが良いことには思えなかった。
「さぁ…書面には図書三正としか書いてなかったから」
「えーーーーーっ!!」
大きな声で落胆する。
「ありがとうございました…」
思いっきり肩を落とし、悲しげな背中を見せながら彼女は歩いていった。
きっと好きなんだろうなぁ。
胸がちくりと痛んだが、初恋は実らないものだと納得させた。
背は大きかったが、顔から察するに高校一年生かな?
16歳のあの子ととあの青年は…恐らく28歳くらいだろうから、一回りも違う事になる。
厳しいと風評の図書隊員が女子高生と付き合うとなると、世間体も良くない。
憧れで終わるのが一番かもしれない。
せめて女子大生かOLならば…いやいや、醜聞になるかもしれない事件で上手くはいかんか。
この出来事は私の胸の内で納めようと誓った。
秋の空は肌寒く、切なかった。


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久しぶりに書いたSSがこんなん。
粋も甘いもありません(汗)
見計らい権限なんて、きっともっとすごい調査が入ったと思うんですよ。
でも気力が無くて薄く書きました。
本屋のおじさんの心は~v
のんびり考えた話がこんな結果。
すれ違いだらけの人生です。
迷惑をかけて心配をしてくださった方へ愛を込めて…。
本当にすみません。
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